物質はその温度に応じたエネルギーを電磁波の形で
放射しています。
放射されるエネルギーは、温度、物質により、またその表面状態などにより変化します。
図は、黒体の放射エネルギーと波長の関係を示したもので、プランクの法則と呼ばれます。
一般の物質では放射率が1以下になります。
したがって、黒体と同一温度の物質の分光放射エネルギー特性は、黒体の示すそれ(下図の山形曲線)より下側に、曲線が描かれることになります。
外部から入射する電磁波を、あらゆる波長にわたっ て完全に吸収し、また熱放射できる物体のこと。
物質から放射されるエネルギー量は、物質の温度が高
くなるにつれて大きくなります。
絶対温度T(単位:ケルビンK)の黒体から放射され
るエネルギー量(E)は、プランクの法則を全波長に
対して積分することで得られ、絶対温度の4乗に比例
する形で与えられます。
これをステファンボルツマンの法則といいます。
E=5.6697×10-8・T4 [W/m2]
E=5.6697×10-8[W/m2・K4]
物質から放射される電磁波のピーク波長は、
放射体の温度が高くなるにつれて短波長側にシフトし
ます。
λ=2897/T [μm]
これをウィーンの変位則といいます。
ウィーンの変位則で示されるピーク波長を境に短波長
側の積算面積(エネルギー)は、全体エネルギーの
25%で、長波長側は75%です。